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CRUNCH 1stEP『ふとした日常のこと』













CRUNCH 『ふとした日常のこと』 LISTEN

2014年1月15日発売 1500円(税別) BUY  TOWER / AMAZON

1.森の中 (YouTube)
2.ウタカタ 
3.Awakening
4.Snow Light 
5.Fortune Boat 
6.ふとした日常のこと (YouTube)
7.ウタカタ FU-MU remix 
8.ウタカタ Sayoko-daisy remix


《紹介》 名古屋のガールズ・スリー・ピース・バンド。シティー・ポップとポスト・パンクを折衷して現代的に解釈したソリッドな演奏に、イノセントな世界観の歌詞とメロディーが魅力。全く無名ながら2013年にsoundcloudで発表した楽曲が、英ガーディアンら37カ国の音楽サイトでインディー・バンドを紹介する企画Music Alliance Pactに掲載される。そこで紹介されたEPと、NHKアニメ『団地ともお』の原作者小田扉にジャケット・イラストを提供された「はっぴいえんどカバーEP」をへて、初の流通音源となる本作は松石ゲル(PANIC SMILE)プロデュース。話題のニュー・アクトFU-MUとSayoko-daisyによるリミックス曲も収録。

《帯掲載コメント》 曖昧な空気の揺れ、感情の揺れを数分間の音楽としてパッケージしようとしている。松浦達(COOKIE SCENE


Reviewd by Music Magazine March 2014 issue. 
ミュージックマガジン3月号のアルバムレヴューに掲載頂きました。









音楽評論家の岡村詩野さまに

「80年代のクリエイション・レコードのバンドを思い出させる清廉なギター・ポップ・サウンドと、抑揚を抑えたようなヴォーカルとが新鮮」

とコメントいただけました。ありがとうございます!



COOKIE SCENEにレビュー掲載いただきました。ピッチフォークやMTVジャパンのサイトで執筆されているパトリックさんが私たちのアルバムを紹介してくれました。

ZIP-FMの番組wowに出演させていただきました。番組HP(こちら)でも紹介いただきました。


CRUNCH『ふとした日常のこと』によせて
文=松浦 達(COOKIE SCENE)



普段着の街のどこにでもいる女の子三人が平熱のまま奏でるオルタナティヴ・サウンド。今や、ガールズ・バンドがジェンダー、セクシャルな意味を越えてまったく珍しくなくなった中で、CRUNCHはまだ拙い音楽語彙ながら、巷間に溢れるような、過剰にヒステリックな性へのアディクトを迂回し、行間を詰め言葉数を多くしては歌わない、不器用なバンドでもある。

むしろ、このアルバム名『ふとした日常のこと』というところからして、察せられるとおり、ふとした日常のこと、そのものが喪われがちな今において反語的な好戦性も感じる。例えば、レディオヘッドはこんなパノプティコン型ネットワーク社会になる前夜の1997年に『OK COMPUTER』と言った。文脈沿いにいえば、「日常」もいまや、死語に近いだろう。

これからの活躍が期待される名古屋を拠点にする気鋭のFU-MU、三重のSSWであるSayoko-daisyのリミックス2曲を含めた全8曲には、細野晴臣チルドレンの“ガンボ”的な遺伝子を濃厚に感じながらも、エコバニやキュアー辺りを参照にしただろうニューウェーヴ、さらにはポスト・歌謡性までを包括し、リズムは落とし気味に淡々と情景を切り取り、過ぎ往く景色への戸惑いを密閉する。

音楽は数分間に密閉され、かのジョン・ケージの「4分33秒」でさえカラオケになる時代で、空気が揺れないでも音楽は成立するのか、沈黙がそもそも、音楽ではないのか、そういう議論も行なわれている。だとしたら、かの武満徹が沈黙の美学に殉教したように、彼女たち、CRUNCHは高尚にはならず、森、泡沫、雪、そういった現象に意識を凝らせていくのか、この作品の時点では判断留保しかできないが、この「小声」が受け入れられない世の中の速度は異様なのだという気はしている。